てぃーだブログ › かばのあくび

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Posted by TI-DA at

2014年05月25日

永遠

夏が夏であるために、あなたが目の前にいればいい。

セミの呪文が静寂を呼び、二人の世界を囲うためには。


春が春であるために、あなたが隣にいればいい。

ぬくもりが睡魔を呼び、膝の上の子猫になるためには。


冬が冬であるために、あなたが側にいればいい。

頼れるものは絆だけ、吹雪をくぐって耐え忍ぶには。


秋が秋であるために、あなたの声があればいい。

どちらが先に旅立っても、声だけ聞こえてくればいい。


そうして二人は逆転する時流の中、永遠に帰ってゆくのだろう。







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Posted by nuoc at 11:57うた

2014年05月23日

ゆめ

雨をかんじて 空をみあげる
鳥をみつめて あなたをおもう


土曜が待ちきれず ひとり寄る海
曇った波をみて あなたをおもう


蝶がはばたき 風をおこす
夢にふかれて あなたをおもう


仕事がとぎれ 一人になる
心しずかに あなたをおもう





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Posted by nuoc at 20:59

2014年05月18日

ワンルームのしあわせ

人をしばれるものって なんだろう

制限や規則や 慣習や常識
『みんながそうだから』ってことば
だいきらい


人をつなぐものって なんだろう

よわさと優しさと おもいやれる強さと 夢
約束はきっと 愛につつまれているから いみがある
ほんとうの約束は 愛の結晶


たとえば結婚して 義務だからっていっしょにいるよりも
約束もなく たいせつにしあって 愛しあってすごしたい
言葉の花束を おくりあって わらいたい


ただ となりに 愛するひとがいる
ただ てをつなぎ 温めあえるひとがいる

そんな しあわせ
ただの しあわせ



みんな しあわせがこわいから
さくをつくって じぶんを飼っている
どうぶつえんのクマが おんなじところを回っているように

どこにもいけない かなしみ
とじこめられた イラダチ



だからぼくらは たびをしよう
まよったぶんだけ 世界がひろがる

だからぼくらは ゆめをみよう
世界がぼくらの 愛のワンルーム








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Posted by nuoc at 11:15

2014年05月16日

ふたり

ふたり 旅をする
ちいさな星を 大きな海を

世界をめぐる どこまでも どこまでも
終わらない 水の線
見果てぬ夢 未知の島

いいことが起こる いつだって いつだって
ふたりなら ふたり以上
ひとりなら 一人以下


ふたり 旅をする
ちいさな星を ちいさな島を

海が空を呼び 空が風を宿す
風は鳥を運び 鳥は言葉を告げる
一緒に見つけたラッキーバードは
神様からの メッセージ

いいことが起こる いつだって いつだって
ふたりなら ふたり以上
ふたりなら ふたり以上






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Posted by nuoc at 22:54うた

2014年05月10日

ふたり暮らしのふたごばあさん



それはそれは仲の良い、
ふたごのおばあさんがいました。


ふたりはずっと、
生まれた時の家で、
仲良く一緒に暮らしていました。


数年前、
ふたりは一緒に、
ぼけてしまいました。


どちらが姉のツルだったか、
どちらが妹のカメだったか、
自分たちでも、
分からなくなってしまいました。


近所の人がが訪ねてきても、
そっくりなので、
どっちがどっちだか、分かりません。


ツルさん、と呼ぶと、ふたりとも、

は~い

カメさん、と呼んでも、ふたりとも、

は~い







『どっちでもいいわね』

「何も変わらんからのう」







ある冬、雪ですべって、ひとりが骨折しました。

病院へは、ふたりで行きました。

赤ひげ:転んだのは、ツルさん? カメさん?

『どっちでもいいわね』

「ツルとカメが滑った、っていう唄もあるがね」

赤ひげ:カルテを作らないといけないから。

『ふたりの名前を書いておいてよ』

「わたしの腕も折ればいいがな」

赤ひげ:困ったな~

「とにかく、ふたりで入院します!!」



そうしてむりやり、ふたりで入院することに。



深夜。



『ふたりで入院なんて、楽しいね』

「旅行みたいね」

『昔を思い出すわ』

「色々あったね」

『同じ人を好きになったことも、あったかね』

「そうね、あたしが先に好きになって、すぐにあんたが・・・・・・」

『わたしが先じゃなかったかね』

「うーん」

『うーん』

「どっちでもええか」

『相手もふたごなら、よかったのになぁ』

「日替わりで会いに行こうかって、相談してたよなぁ」

『結局、ふたりとも、お嫁にいきそびれたやね』

「あんたがおるからええよ」

『わたしもだよ』



そんな話をしている最中、
それぞれが背中に、冷たくふんわりしたものを感じました。



『何かね』

「あんた、わたしを触ったかい?」

『あんたこそ?』

「あれまあ!」

『おおおお!』



暗い病室に、冷たく青い光。
煙のカタツムリのように、
らせんを巻いていました。

銀河の渦のように、
ゆっくり念入りに、
輝きながら形を作っているようでした。

渦の中心に、
もくもくふわふわと、
人の形が現れました。

それはふたりの、お母さんでした。



『お母さん!』

「お、お元気でしたか!?」

『お久しぶりです』

「お迎えかな」

幽霊:お迎えではありません。
   ふたりとも、ひさしぶりですね。

『ふたりとも、どっちがツルかカメかも分からんくなったわ』

「もうそろそろ、連れてってくれても、ええよ」

『どっちがツルで』

「どっちがカメだったかね?」

幽霊:それを今言っても、すぐ忘れてしまうでしょう。
   歳をとると、大事なもの、大事ではないものが分かってきます。
   ふたりとも、名前よりも大事なものを、見つけたのでしょう。

『何かな?』

「うーん・・・・・・」

幽霊:もう少し、生きてみなさい。あなた方の笑顔は、町の宝です。
   幸せに生きていれば、周りも幸せになります。

『楽しくは、やっております』

「お母さんは?」

幽霊:いつかまた、会えるでしょう。
   これからも、ずっと見守っていますよ。



そうして、蛍光灯が端から端にすっと白く光り、
すべてがスローモーションで消えていきました。
おみやげを、ひとつ残して。



『見守ってくれていたんだね』

「もう少しだけ、生きてみようか」



ケガをして、すこし心細かったふたりの気持ちが、
薪ストーブの遠赤外線にあたった時のように、
芯まで温かくなりました。




『ありがたいね』

「ありがたいね」








退院の日。

ふたりでケーキを作ることになりました。



『昔、いちご大福をふたりで作ったね』

「そうね。あんたがいちごだけ、全部たべてしまってケンカしたっけ」

『あんたが食べたんじゃなかったかね?』

「そうだった?」

『お母さんが食べた気もしてきたよ』

「それでこの前、幽霊になって出てきたのかね」

『どっちでもええか』

「違ったら罰当たりな話だがね」


そうして大笑いしている時、
注文していた材料が届きました。

ドサッ。

ドサドサッ。

ドサドサドサッ。

玄関が埋まってしまうほどの、
たくさんの小麦粉と卵と砂糖と生クリームとバニラビーンズが届きました。

『こんなに注文したのかね』

「量を間違えたね」



ピンポーン。



駐在さんが、
自転車で訪ねてきました。



駐在:ツルさん、カメさん、おめでとう!

『おめでとう』

「おめでとう」

『で、何が』

「めでたいのかな」

駐在:今日はお二人の誕生日ですよ!

『それはめでたい』

「何歳になるかね」

駐在:99歳ですよ。

『あと何年、生きれるかね』

「もう充分生きたけど、お母さんも生きろと言っていたしね」

『100歳の誕生日も、ふたりで迎えたいね』

「んだね」

駐在:また来年も来ますからね!
   お元気で。これ、プレゼントです!






プレゼントの中身は、
ふたごのマトリョーシカでした。

外では雪が、静かに降り始めていました。

駐在さんの自転車の跡が、
そっと残っていました。

前輪と後輪の二本の線が、
交わりながら、時に一本になり、
どこまでも遠く、続いていました。







『さあ、ケーキを作ろう』

「けれど、こんなにたくさん、どうしたものか」




ふたりは頭を抱えていましたが、
しばらくすると、
ひとり、またひとりと、
近所の人が訪ねてきました。


みな、口々に言いました。

駐在さんから聞いたよ。
退院おめでとう!
お誕生日もおめでとう!!
いっしょにケーキを作りましょう。





そうして、たんさんの人たちが、
たくさんの材料でケーキを作り始めました。

あーでもない、こーでもないと、
てんやわんや。

にぎやかな午後でした。

ようやくできたのは、
夕方になって。

丸いスポンジを何段も積み重ねて、
天井まで届くような、大きなケーキができました。





人々:ツルさん、カメさん、おめでとう!!






ツルさんとカメさんの家は、
大人と子供とプレゼントと、
人々が連れてきた犬と猫とで、
大賑わい。

夜がふけるにつれ、
仕事から帰った人たちも加わって、
町中の人々が、
ツルさんとカメさんの家に集まりました。





『入院中に、お母さんに会ったよ』

みんなが目を丸くして驚きました。

人々:何か言ってた!?

「これをおいていった」




それは小さな、桜の葉っぱでした。




町人のひとりが、
ツルさんとカメさんの
卒業文集を取り出してきて、
言いました。

これのことじゃない?



そこには、ツルさんとカメさんが、
連名で残した詩がありました。




’’ 桜 ’’


さくらは散る。

だから意味がないと、誰かが言う。

わたしは言う。

さくらは散る。

だから意味があると。

ツルとカメが、
万年生きても、
ついには散る。

そしていつかは、
この星さえも。

人の心の残像が、
清々しければ、
それでいい。

ほのかに色づけば、
それでいい。







『どういう意味だっけ?』

「かなり昔に書いた気もするねぇ」

『ぼけてもしみったれず、大和撫子でいなさい、ってことかね』

「お母さんみたいに、ね」

『花びらじゃなく、葉っぱをくれたところが、お母さんらしいわ』






そうして、
ケーキを食べながらの唄会が、
夜遅くまでつづきました。

邪魔を入らせまいとするかのように、
雪がしんしんと降りつづいていました。







散る桜
 残る桜も
    散る桜
          良寛和尚









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Posted by nuoc at 16:02おはなし

2014年05月10日

ミステリーサークル

人を好きになる。
それだけで、世界が変わる。

人を好きになる。
それだけで、生きる勇気が生まれる。

人を好きになる。
それだけで、鏡の中の表情が変わる。

人を好きになる。
それだけで、歩くリズムが違う。

吹いてる風も、空の色も、猫の声も、鳥の飛び方も。
みんなみんな、違って感じる。

食べるものも、住んでる場所も、なんにも変わっていないのに。

恋はきっと、ミステリーサークルのようなもので、
誰が作ったかも分からないまま、不思議な力をもっている。





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Posted by nuoc at 15:28うた

2013年09月08日

荒野の花

尖った脳波に刺される。
炭酸の血液が駆りたてる。
どこか心地よい、狂気。
囚われた廃墟。
解法なき無法地帯。
体ひとつで切り抜けた過去。

カードさえ知らない階層。
迷宮の隠し部屋。
体当たりの解答。
散らばる遺産。

青だけの渇いた画面。
涙ひとつでやり過ごす今日。
見えない未来、白痴の時間。
月泣き砂は、どこに続くか。
今日の俺には、今日しかない。

息潜める怪盗。
影ひとつで乗り込む未来。
白骨の道標。
血しぶきの魂石。
シビレを避ける電気技師。
コガレも知らず何を語るか。

夢見る解放。
命の魔法。
死は花の道。
戦は恋。



  

Posted by nuoc at 00:06

2013年09月01日

奇跡のドリームランド

地球は丸ごと、動物園。
いろんな人がいるもんだ。
悩んで何の、得がある。
遊ぼう、泥んこユートピア。

友達いれば、それでいいじゃん。
生きてる奇跡。
かすれる夕日。






地球は丸ごと、テーマパーク。
仕事もゲーム、かぶりもの。
人のためかな、ハイスコア。
どんな偉人も、散ってゆく。

映画の中だよ、心配無用。
思いをとげよう、問答無用。
一夜の夢さ、儚き宴。
踊らぬ夜は、ただの闇。






酸素があれば、それでいいじゃん。
友達いれば、それでいいじゃん。

踊りつづけよ、オーロラの風。
宇宙の神秘。散る桜。
吠えるくじら。ミジンコの涙。
一夜の夢さ、散る時代。




  

Posted by nuoc at 00:10うた

2013年08月31日

新月

気まぐれなアナグラム。

蹴った人が、次は蹴られるゲシュタルト。

振られ慣れてるつもりだったけど。

この瞬間は、やっぱり辛かった。

理由もないサヨナラは、
どこに手をふったらいい?

大嫌いと言ってくれたら、
次に進めるのに。

闇に崩れ落ちながら。







神がふったサイコロ。

デルフォイのタロット。

未来は誰が決めるの?

意味は一人で感じられるの?

真っ暗な、夢が怖い夜・・・・・・・

あなたを忘れられないまま、
夜はどこに向かうのか。

一人は二人の半分未満。

辿りつける朝はない。

転覆した愛。

黒の嵐。





  

Posted by nuoc at 02:57うた

2013年08月27日

特異点

せつない痛みが、
日常になる。

『時がくれば、
すべて癒える』

それはどこまで、
本当だろう。

せわしない毎日に、
涙の頻度は、
減ったけれど。

風が吹くたび、
雨が降るたび、
ほほをかすめるのは、
あなた。







試しに、
諦めてみるけれど。

『忘れた頃に、
願いはかなう』

それはどこまで、
本当だろう。

ぽっかり空いた穴は、
どうすればいい?

爆破されたバベルの塔。
内に崩れるブラックホール。

すべてなくなれば、
あなたに会えるなら。

命かけるだけで、
あなたに会えるなら。







事象の地平面を超えたのは、
いつだったろう。

『ブラックホールも、星なんだよ』

いつかのあなたの言葉が、重い。

すべてが破綻する一点で、
粉々に潰されて、
あなたと共になるのもいい。

光も時間もない世界で、
重力崩壊の閉鎖空間で、
あなたと共になるのもいい。






  

Posted by nuoc at 21:28うた