アトムのゆめ
ゆめの中でゆめを見るゆめにうなされるゆめから、覚めたばかり。
気づくといつも、そばにいてくれた人。
さり気なく、いつも味方してくれていた人。
プリズムよりも、まぶしい瞳。
ぼくの視線と世界中のスペクトルを吸収する、波打つ流麗な黒髪。
全身をつらぬいた雷。
あなたが放ったフォトンに撃ちぬかれたから、
マクスウェル方程式に導かれ、
あなたに引き込まれていく・・・・・・・
電子の雲の中、奇跡の確率を超えて、いつもあなたを探していた。
ファントム?
捕まえようとすると、煙の弦のように逃げていくから。
信じること。
信じきること。
時空を超える核心。
ゆめでつないだ柔らかい手のひらの分子の振動に、あなたを感じて。
深淵な瞳の原子の核の陽子のクォークに閉じ込められた、多次元の宇宙。
割れた合わせ鏡に写った、夢幻のあなた。
ぼくは夢の波だから、
スピンする運命を超え、
長いトンネルを抜け、
もうすぐあなたに辿りつくよ。
近づきすぎて、壊れてもかまわない。
ふたりはもうすぐ、新しい原子になる。
ぼくはあなたの夢で、あなたはぼくの夢で・・・・・・・
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